icon野口冬人の現代湯治の宿

鳥取・吉岡温泉 角糀屋旅館

日本海に面した山陰の海岸は、明るく和やかな景勝の地を展開している。温泉も多い。

鳥取市の郊外、湖山池畔の旧街道から分かれて少し南へ入ったところに位置する吉岡温泉は、約千年の昔に発見されたという古湯だ。小さな沢のほとりに数軒で温泉街を形成し、昔ながらの湯治場の雰囲気を守っている。環境省により国民保養温泉地にも指定されている。

温泉は集中管理ですべてかけ流し51

共同浴場が2か所あり、そのうちのひとつ、吉岡温泉館は温泉街の中ほどに位置する。そばに株湯と呼ばれる源泉場があり、その前で鉄筋3階建ての四角っぽい建物を見せるのが角糀屋(かどこうじや)旅館。大正6年の創業と伝わる老舗旅館である。

「昔は湯治客が多い温泉場でした。一時、観光に走った宿がいずれもつまずいて原点回帰し、また湯治、保養のお客さんが帰ってきつつあります」と主人の高田耕さん。「やっぱり湯治で生きてきた所ですので、また湯治に力を入れたい」という。

温泉は、昭和30年ころに集中管理になり、数年前には源泉の無駄使いがないように、温泉街に太いパイプを回し、そこから各宿へ必要な湯だけを引湯するしくみにした。元パイプは源泉場から湯が回って、残りはまたもとの源泉場に戻る循環式になっている。53

2、3階に客室がある。10畳間が主体だ。荷物を置いてさっそく浴場へ行ってみた。1階の奥にあって、玉子型のタイル張りの湯舟には澄んだ単純温泉があふれていた。

源泉温度が52度。切り傷、やけど、皮膚病、痔疾などに効果がうたわれ、最近では「美肌効果が高い」と女性客に人気を呼んでいる。

角糀屋旅館

  • 〒680-1442 鳥取県鳥取市吉岡温泉町659
  • ℡0857・57・0008 / FAX 0857・57・0004
  • 山陰線鳥取駅から吉岡温泉行きバス25分、終点下車徒歩5分/車= 中国道作用ICから国 道373,53、29号線、県道21、191号線経由約78㌔
  • 1泊2食8400円、日帰り入浴400円(10時~15時)