雪見の絶景露天風呂in渋温泉
旅行読売2月号の第2特集は「雪見の絶景露天風呂」ですが、私も雪国の温泉情緒と露天風呂を求めて、北信濃の渋温泉(山ノ内町)を訪れてみました。
渋は石畳の小路に古い旅館が立ち並び、一番から九番まで9つの共同浴場が点在する、情緒あふれる温泉場です。
渋温泉の宿泊者は各旅館で共同浴場のドアの鍵を受け取り、無料で共同浴場をめぐることができます。
9つある共同浴場は微妙に成分が異なるようで、湯疲れしてしまいそうだから最初は全部回るつもりはなく、気に入ったところだけに入浴しようと思っていました。
しかし――3か所、4か所めぐっていくうちに“記者魂?”に火がつき、結局全部入ってしまいました……。そして、水分補給のビールのうまいこと、うまいこと。
宿の岩造りの露天風呂も風情があって、共同浴場、宿ともにかけ流しの湯を満喫しました(お酒も満喫しました)。
翌日は湯田中駅から長野電鉄としなの鉄道を乗り継ぎ、東信濃の小諸に出ました。小諸は何回か訪れたことがあるのですが、冬に来たことがなく、一度冬の小諸を歩いてみたいと思っていました。小諸は島崎藤村が若いころ、小諸義塾の教員として約7年間過ごした地で市内にはゆかりの場所があります。
藤村の詩『千曲川旅情のうた』で「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ――」と詠まれた小諸城址の懐古園は、小諸駅のすぐ裏手。うっすらと雪化粧をした懐古園は人もまばらでしたが、併設された動物園の動物たちは寒くても元気でした。
小諸は北国街道の宿場町の顔ももつのですが、近年整備が進み、訪れるたびに昔をイメージした白壁土蔵の建物や格子の家が増えてきています。最近は町並みの景観を保つため、建物を新築あるいは改築する際、その地域の伝統の建築様式を取り入れると、行政から補助金が出るケースもありますが、これも「町づくり」「町おこし」の有力な手段の一つといえるでしょう。
真冬の北国を散策していたら、すっかり体が冷えてしまいました。予定の電車の発車時刻まで1時間弱あったので、小諸駅近くの「揚羽屋」に入り、名物の豆腐料理を肴に熱燗で「キュー」と。この店は藤村の随筆『千曲川のスケッチ』に「一ぜんめしや」として登場し、店内には藤村の写真や本などが飾られていて、ファンなら訪れてみたい食事処です。
おっと、このように書いていると私は酒ばかり飲んでいるように思われた方もいるかもしれませんが、今回は仕事ではなく、プライベートの旅行なので、あしからずご了承ください。もちろん、帰りの新幹線のなかでも、酒が入ったことは記すまでもありませんが……。