icon小泉武夫の旅して食べて健康に

大根そば<福島・矢吹町>

シコシコにシャキシャキの歯ごたえ

福島県の中通り地方に矢吹町というところがある。江戸時代には奥州街道矢吹宿として発展し、町の歴史は古い。

その矢吹町に「古宿」という料理屋があって、そばを名物にしている。手打ちであるが、コシといい、香りといい、全国のそばを食べてきた我が輩に言わせても一流の域にある。

この店のそばの食べ方は不思議である。まず、打ち立てのそばがゆでられ、冷水にさらされてから大きな丼に入れられる。そして、その上に千切りの大根がどっと載せられるのだ。

最後にダシの効いたツユをぶっかけて、「大根そば」をざっとひとかきする。そばの灰色に大根の白がまぶしく、コントラストだけでも食欲をそそる。

そばを大根とともに口にすすりこむと、そばのシコシコ感と大根のシャキシャキ感とが妙に合って、その歯ごたえがたまらない。

続いてそばから上品なうま味、大根からかすかな甘みとほろ苦味などが湧き出てきて、ウグッウグッといった具合にどんどん食べてしまうのである。

この大根そばは江戸時代から有名で、十返舎一九も「行列の弓もひきぬき蕎麦切は矢吹の宿に名物の的」という酔狂な歌を残している。

そばは、高血圧症や心筋症によく、血管を強くして脳血栓などの予防に効果がある。多種のミネラルも多く含むので、体調維持には理想的な食べ物とされてきた。そこに、大根からさまざまな消化酵素やビタミンCを中心としたビタミン群が入っていくのであるから、すばらしい組み合わせである。

「古宿」は、この名物のほかにも、田舎でしか味わえない野趣に富んだ料理を出すので訪れてみるといい。

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取り寄せ情報 古宿

  • 取り寄せ不可 大根そば840円
  • 0248・42・2011(TEL)